認知行動療法の最終段階
認知行動療法は最終的に自分を知り、他人を知り、世間を知ることになります。その中で自分の思い込みや考え方のクセ(スキーマ)を変容させていきます。
認知行動療法の初期段階から中期段階までは、その思い込みや考え方のクセを浮き彫りにする作業にもなります。
思い込みや考え方のクセはその人を形成する性質そのものです。
早い段階ではそれを変える準備が出来ていません。
無理に変えようとしてしまうと、クライアントの人格や個性を否定することになる可能性があるからです。
自動思考の同定が定まったところで、クライアント自身が思い込みや考え方のクセに自分で気付く事で変化させる段階となります。
思い込みや考え方のクセが変われば、感情や行動、自動思考全てが変わっていきます。
客観的に見れば性格が変わったかのように見える場合もあるでしょう。
人は自分の内面しか見ることは出来ません。
他者を感じたり、考えたりする事は出来ますが、他者の内面を直に見ることは出来ません。
そして、自身の内面はその人が経験してきたものや環境からの影響、刷り込みから形成されたものです。
そこには、偏りや屈折が起こるものです。
自分の手の届く経験や影響はそれ程多くはないからです。
認知行動療法で思い込みや考え方のクセが変われば、自分の世界を広げる事や、自身の成長につながっていきます。